ウサパラくん
札幌市に隣接し、羊蹄山の麓に位置する喜茂別町(きもべつちょう)で町おこしに一躍かっているご当地ゆるキャラがあります。その名は『ウサパラくん』といい、うさぎに似た喜茂別産のアスパラガスの耳を持っています。よく見てみると、左右の耳の色が違ってみえます。なんと右耳がグリーンアスパラガス、左耳がホワイトアスパラガスなのです。ウサパラくんは普段は喜茂別町のどこかに住んでいて、各地でイベントが行われると颯爽とあらわれ、喜茂別町の魅力をPRしています。
ところで、ウサパラくんが生まれた喜茂別町とはどんなところなのでしょう。喜茂別町の名前の由来はアイヌ語の「キム・オ・ペツ」(山の多い川)からつけられており、その名のとおり町の面積の77%を森林が占め、この森林を源にした多くの清流が流れています。
この清流の最上流の冷水域にはエゾイワナやヤマベなど渓流魚が生息しており、渓流釣りのポイントとして知られています。渓流魚は自然と密接な関係にあり、人の手が入らない自然の川だから魚は生きているのです。そのため喜茂別町では、渓流釣り愛好者等によるヤマベなどを放流したり、河川クリーン作戦が実施され水環境の保全に努めています。
また、喜茂別川は親水空間として河川公園が整備されており、渓流釣り大会などの開催や町民の憩いの場として利用されています。さらに喜茂別町は年間積雪量2メートルを超える豪雪地帯であることから、これらの河川を活用した流雪溝が町の中心部に整備されており、冬期間の除雪作業の労力軽減、住民の生活向上に役立っています。
アスパラガス発祥の地としても知られる喜茂別町では、古くからアスパラガス生産農家が採りたての鮮度を保つため、羊蹄山や尻別岳の麓から湧き出る湧水や地下水などの水資源を活用しており、良質なアスパラガスが生産されています。
この良質なアスパラガスと美味しい水を原料としてホワイトアスパラガスの缶詰を生産しており、これは品質の良さで全国に知られています。
春になると、これらアスパラガスのほか、喜茂別町で採れた農作物やそれらの加工品を販売する「きもべつフェア」が郷の駅ホッときもべつで行われることがあります。もちろん会場では『ウサパラくん』がお見えしますよ。「よろパラ~」とあいさつするウサパラくんはすっかり地域の人気者となっています。今後は喜茂別町のアイドルとしてだけじゃなく、外部へもどんどんアピールしていくことでしょう。